乳がん患者から ゲルソン・プラクティショナーに

1995年、30歳のメラニア・ナギーは2番目の子供を妊娠して数週間が経っていました。同じ時、彼女はトリプルネガティブ乳がんの初期であることを診断されました。

 

獣医として医学的評価の経験が豊富だったDr.ナギーは、自身の医学的状態と、通常医学の治療を行った場合の予後を正確に理解しました。生存率が非常に低いこともわかりました。Dr.ナギーは通常医学を提供する医師たちの意見に同意しました。手術の後、抗がん剤治療と放射線治療を行うため、妊娠を途中であきらめなければならないのがもっとも残念なことでした。

 

大きな犠牲を払ったにも関わらず、通常医学の治療では不十分だったのか、すべての通常医学的治療が終わってから1年後、リンパ節への転移が発見されました。

ゲルソン療法との出会い

補完療法について懸命に調べた末、Dr.ナギーはゲルソン療法を見つけました。

ゲルソン療法は複合的で、生化学と生理学のエビデンスを通し医学的知見から組み立てられた療法でした。

 

Dr.ナギーはゲルソン療法を集中して行おうと決め、当時は唯一だった認定ゲルソン・クリニックで治療をスタートするために借金をし、クリニックがあるメキシコへ行きました。

 

認定クリニックへ行くことは、必要な知識と経験をすべて身につけるのに最適な方法だとわかりました。また、経験豊富なゲルソン・ドクターたちから最適なガイドを直接受けるにはこの方法しかありませんでした。当時、メキシコのゲルソン・クリニックに入院した患者の経過は、すべてシャルロッテ・ゲルソンも見守っていました。治るための最大のチャンスはここにあると感じました。

 

退院後もゲルソン・ドクターの指導によるプロトコルを遵守し、6ヶ月が経過した頃、手術痕から新たな局所腫瘍が見つかりました。最初は非常に驚きましたが、後になってから、このしこりは治癒のプロセスを示すサインであるのが自然にわかりました。2年半が経過した頃、この病変部は明らかに嚢胞へと変化し、腫瘍は縮小しました。その半年後には、この嚢胞も完全に吸収されてしまいました。

 

Dr.ナギーは完璧なゲルソン療法で、まる3年を過ごしました。この間に、自然医学、鍼灸、中医学などの代替医学を学びました。

ゲルソン患者から、ゲルソン・プラクティショナーへ

転移性乳がんから回復し、自然医学医師(N.D.、現在の日本にはこの博士号プログラムを提供する大学教育はありません)となったDr.ナギーは、2000年、米国ゲルソン・インスティテュートが主催する「ゲルソン・プラクティショナー・トレーニングプログラム・モジュールⅠ」に出席しました。そして、ハンガリーのゲルソン基金でボランティアとして支援活動を始めました。

 

2001年、Dr.ナギーは驚くべき贈り物を授かりました、ふたたび妊娠したのです! 過去の医学的状態を考えると、ふたたび命を脅かすリスクに直面したのも確かです。通常医学の医師たちは皆、妊娠中絶することをすすめましたが、彼女はシャルロッテ・ゲルソンの意見も求めました。シャルロッテは、Dr.ナギーはすでに健康で、彼女の体には強い免疫系が回復していると確信していたので、この状況にも十分対応できるだろうとアドバイスしました。

 

そして現実に、Dr.ナギーは女の子のゲルソン・ベビーを出産しました。母子ともに幸せで、健康です!

 

2003年、Dr.ナギーは「ゲルソン・プラクティショナー・トレーニングプログラム・モジュールⅡ」を無事に修了し、メキシコのゲルソン・クリニックでインターンシップを開始し、経験豊富なプラクティショナーDr.メレンデスとDr.ブラボから直接指導を受けました。

 

2006年、Dr.ナギーはゲルソン・インスティテュートのメディカル・ディレクター、Dr.カイラ・スミスによる「スーパーバイズド・ケース・マネージメント」を修了しました。

もう一つの夢が現実に

Dr.ナギーは入院施設を持つゲルソン・クリニックを、ベータ・ビショップ(元ゲルソン患者、元イギリスBBCレポーター、シャルロッテ・ゲルソンの親友、ゲルソン・ヘルス・センターの共同設立者、長年のゲルソン療法支持者)と一緒に作りたいと強く願っていました。

 

2009年、それが実現し、ハンガリーのブタペスト郊外にゲルソン・ヘルス・センターがオープンしました。ここは、ヨーロッパ唯一の入院可能な認定ゲルソン・クリニックです。

 

 

Dr.ナギーは、5名のゲルソン・ドクターと23名の看護&キッチンスタッフとともに、ゲルソン・ヘルス・センターの代表として活躍しています。また、ゲルソン・インスティテュートの「ゲルソン・プラクティショナー・トレーニングプログラム・モジュールⅠ&Ⅱ」ではレジデントやインターンのドクターたちに自身の経験を伝えアドバイスを提供する役割を担っています。ゲルソン・アカデミック委員会のメンバーでもあります。

 

すでに、彼女の乳がんの診断から20年以上が経過し、Dr.ナギーは、今でも、認定を受けたゲルソン・クリニックに入院することからゲルソン療法をスタートしたのは自分にとってベストな選択だったと振り返っています。現在、Dr.ナギーはゲルソン療法のメンテナンス・プロトコルに従って日常生活を送っており、ライフスタイルはゲルソン的です。食事や解毒に注意を払っています。

 

ゲルソン・インスティテュートと私たちゲルソン・コミュニティーは、このように才能と思いやりのある人物と一緒に仕事ができる幸運に恵まれました。すでに、彼女はたくさんの命と出会っているはずですが、彼女の生き方は今後もたくさんの人に勇気を与え続けることでしょう。

コピーライト:ゲルソン・インスティテュート

著者:Dr.メラニア・ナギー、ノエミ・ボルサ

投稿&編集:ニコール・フェラー

日本語訳:ゲルソン・アンバサダー、氏家京子

 

原文掲載URL:https://gerson.org/gerpress/dr-melania-nagy-recovery-breast-cancer/